10年以上前の2010年前後に、ブッククロッシングという活動が知る人ぞ知るような感じで行われていたことを覚えている人は一体どれくらいいるだろうか。一応今も行われているらしいが。これは、アメリカのロン・ホーンベイカーという人が発案して開始されたもので、簡単に言うと、自分が読み終わった本にweb上で発行したQRコードを(物理的に)貼り付けて、街中の人通りの多い場所(例えば公園のベンチとかカフェの店内)にその本を放置する、という活動だ。
その貼り付けたQRコードの下に、この本は忘れ物では無く、自由に持って帰って良いといった趣旨の文面が書かれている。
ブッククロッシングの本に出会った人は、自分が全く見向きも買いもしない本に出会うことで、新たな知見が得られるというメリットがあり、本を手放した人は貼り付けたQRコードを参照することで、手放した本の大体の位置が分かり、自分の本が世界中を旅しているという感覚に浸れるという寸法だ。ブッククロッシングの本を拾った人は、読了後、そのまま自分の家に置いておいても良いし、面倒だったら捨ててもいいし、ブッククロッシング本として引き続き街中に解き放っても良い。それは拾った人の自由。
先日、自分が普段使っている自炊業者(ここではあえて名前は出さない)が、メールの送信ミスをして他の人の本のPDFデータが自分に送られてくるといった現象が起こった。このことでブッククロッシングというものがあったなあと思い出したのだ。
誤って送られてきたデータは、インドの旅行雑誌だった。
見た瞬間、なんとも言えない感動があった。興味はあるが、日常生活において自分では積極的に調べようとはしない世界だったからだ。
著作権とかの問題がどうにかなれば、こんな風に、ランダムで適当ないらない本が送られてくるオンラインサービスとかがあっても面白いよなあ。きっとそれは自分の可能性を高めてくれるサービスになるはずだよなあ、と思ったのだ。ブロックチェーンの力を使って、なんやかんやうまくできないもんかね~。